覚え書:「ビジネス 生殖医療の衝撃 [著]石原理 [文]小林雅一(ジャーナリスト)」、『朝日新聞』2016年09月11日(日)付。
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ビジネス
生殖医療の衝撃 [著]石原理
[文]小林雅一(ジャーナリスト) [掲載]2016年09月11日
■精子バンクなど先端技術を紹介
本書によれば、最近日本で生まれる子供の約24人に1人は、「体外受精」など生殖医療で誕生する。また世界では、そうした子供たちの数は累計で600万人以上に達した。
一般に生殖医療とは、この体外受精のような不妊治療を意味するが、本書の内容はそれよりも広範囲に及ぶと共に、ビジネス的な側面にも力点を置いている。今や子供を作るのに必要な「卵子」と「精子」は商業製品として販売され、世界各地に国際宅配便でデリバリーされている。
たとえばデンマークの精子バンク「クリオス」のホームページには、多数の精子提供者の詳細なプロフィルが掲載されている。顧客はまず希望する瞳や髪の色、身長、血液型などを選び、あとはサーチボタンを押すだけ。そこから普通の商品を選ぶのと同様、ウェブサイトを見ながら様々な情報を比較検討して注文を出し、クレジットカードで決済する。数日後には自宅まで凍結精子が配送されてくる。
他に、母から娘への「子宮移植」やiPS細胞から作られる精子や卵子のような「人工配偶子」、さらに最新鋭のDNA操作技術「ゲノム編集」など、今後の生殖医療に革命をもたらす先端技術も紹介する包括的な内容だ。
−−「ビジネス 生殖医療の衝撃 [著]石原理 [文]小林雅一(ジャーナリスト)」、『朝日新聞』2016年09月11日(日)付。
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http://book.asahi.com/reviews/column/2016091100015.html