日記:「あんときのデジカメ」 Canon IXY DIGITAL 300 「2001年のデジタルカメラへの旅」

二〇〇一年のデジタルカメラ
一昔前、APSというジャンルのフィルムカメラがあった。過渡的要素が強く手をだすことなかったが、そのなかで爆発的に売れたのがCANONの「IXY」シリーズ。そのデジタル版が「IXY DIGITAL」であり、現在ではDIGITALの表記を外しながらも命脈が保たれ、入門機を中心にキャノンのデジタルカメラの牽引力となっている。

今回手に入れたのは、デジタル版の初の「IXY DIGITAL」の翌年に発売された第二世代の「IXY DIGITAL 300」。発売が2001年春なので、既に15年以上前のデジタルカメラということになる。銀塩カメラの「IXY」と同じデザインと質感、コンパクトデジタルカメラというジャンルを確立したカメラといってよいが、300は、1/2.7インチCCD搭載の200万画素カメラながら、実用レベルの3倍ズーム機として市場に投入され、こちらも爆発的に売れたという。

初の実用コンパクトデジタルカメラ
さて、コンパクトという割には、フィルムカメラの名残りもあり、ソニーのnexとくらべてみても(交換レンズは差し引いて)、筐体はほぼ同じ大きさ。コンパクトという割には「でかい」「重たい」というのが正直な印象ながら、「でかい」「重たい」分、ブレにくいというのも事実で、発売からの経年を差し引いても、当時のカメラとしては「いつでも気軽に持ち歩ける」「コンパクトカメラ」としては、全体としての動作感は申し分のないレベル。

実写して気になる点はいくつかあるが、センサーがCCDの故か、空が真っ白にならず、微かな青みを記録できる点には瞠目、200万画素の限界として、情報量が多い被写体に対しては「ボケる」よりも「滲む」という限界がありながらも、「そこそこは写るな」ということに、15年以上前の製品ながら驚きを隠せない。

ただひとつ「惜しいな」というのは、マクロ撮影が、広角端で16センチと、ぜんぜん寄ることができない点。同時期や前機種の競合機を含めてマクロ撮影の得意なカメラは少なくない訳だから、ここは「惜しい」というほかない。

当時の発売価格は8万円台半ば。確かにCOOLPIX950(1999年)などと比べると「格段に使いやすい」とは思うが、当時、このカメラに「8万円台」を出すというのは、正直「辛いものがある」というのは否定できない事実であり、それはまさにデジタルカメラ(だけでなくカメラ全体)がまだまだ「高価な機械」ということを裏付けている。ただし、現在では、適当にそれなりに写るデジタルカメラは1万円でお釣りが来る場合もあるが、それが良いということを物語っているわけでもないので、念のため。

以下、作例。オート(プログラムAEROSOL)撮影、ISO100、ホワイトバランスオート、露出補正なし、画像は1600×1200(スーパーファイン)で保存。筐体は、iPhone6sで撮影。





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