覚え書:「折々のことば:772 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年06月02日(金)付。
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折々のことば:772 鷲田清一
2017年6月2日
注意を集中し、ただ黙って聞いていてくれるというのは、それだけでも大したことだと思います。
(松浦寿輝)
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語りを黙して聞く。それは受け身の行為ではないと、詩人・仏文学者は大学退職時の講演「波打ち際に生きる」で言う。耳を澄ますことが、心地よい波動となって、語る者に返される。昼と夜、意識と無意識など、異質なものの間の「心もとなさ」を愛おしむのが私の仕事だったとの回想がまさに波打ち際として現れた、幸福な別れの辞。
−−「折々のことば:772 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年06月02日(金)付。
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http://www.asahi.com/articles/DA3S12967952.html