覚え書:「折々のことば:791 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年06月22日(水)付。
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折々のことば:791 鷲田清一
2017年6月22日
何も彼(か)も知りぬいていて何にも知らぬ顔をしていることが、村の中にあるもろもろのひずみをため直すのに重要な意味を持っていた。
(宮本常一)
◇
うちは三代にわたって何一つ悪いことはしていないと、「暗夜胸に手をおいて」はっきり言い切れる人がいたら申し出てほしい……。かつて村の寄りあいで誰かが頑なに意を通そうとすると、すぐに老人がこう言って諌めたと民俗学者は言う。すると村人はたいてい口をつぐみ、譲りあいの緒(いとぐち)も見いだせた。「忘れられた日本人」から。
−−「折々のことば:791 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年06月22日(水)付。
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http://www.asahi.com/articles/DA3S12998856.html