日記:あんときのデジカメ SONY Cyber-shot DSC-TX1 2009年 広角端35mmでよければおすすめの逸品

■ サイバーショット「T」シリーズ初のCMOSセンサー搭載モデル
SONYCyber-shotシリーズで息の長いモデルが「T」シリーズ。2003年から2013年まで、足掛け10年近く製造されたモデルで、特徴は全機種レンズが飛び出さない薄型の筐体、Tは「Thin」の略という。

4月ぐらいからはじめた「あんときのデジカメ」シリーズでほとんど嚆矢を飾ったのが2003年に発売された「T]シリーズ初代の「DSC-T1」。とても画素数・操作感・液晶の大きさなど、とても2003年に発売されたカメラとは思えないほどの完成度の高さで驚いたのですが、T1を購入したとき、その対比用に購入したのが2009年発売の「DSC-TX1」。Tシリーズとしては初めてCMOSセンサーを搭載したモデルで、同時発売のWX1と同じく裏面照射型CMOSセンサー“Exmor R(エクスモアアール)”が搭載され、ノイズが少なくなめらかで美しい写真を切り取るカメラという印象でしたが、撮影の対比では、やはり2003年にこれが出来たのかー!という驚きがT1に軍配を挙げてしまった記憶で、その後ほとんど使っておりませんでしたので、晩夏から少々連れ歩いてみました。

■ カメラを持つ楽しみ・持つ喜びを教えてくれるカメラ
撮影感は最後に譲るとして、ファーストインプレッションは、実に「高級感のあるカメラ」という印象です。Tシリーズといえば薄くて凝った概観が特徴といってよいですが、プラ部品のモデルも多く、そうしたエントリークラスのモデルに比べるとTX1の金属ボディは「カメラを持つ楽しみ」が増幅され、そのスタイリッシュなボディが「持つ喜び」を教えてくれるカメラと言っても過言ではありません。
銀塩時代でもそうですが、価格を下げようとしますとどうしてもプラスチック部品を多様します。もちろん金属パーツが多ければ、それだけ重くなるので、イコール「素晴らしい」という訳でもありませんが、それでもそれなりの重量感や金属のひんやりとした肌触りは、カメラはやっぱり「機械」であるということを持ち手に悟らせてくれるもので、これは銀塩からデジタルに変化した現代でも、変わらないのではなかろうかと思う次第でございます。

■ 広角端35mmでよければおすすめの逸品
でわ、簡単にスペックをおさらい。撮像素子は、1020万画素の裏面照射型CMOSセンサー。Exmor Rはやや好天時に露出オーバーになってしまう印象があるのですが、ギリギリセーフでしょうか。画素数競争が一段落したのが2009年代ですが、本機は、競争から一旦立ち止まり、先端の追及よりも安定した画素で勝負に出たのが、結果として吉に出た感で、全域で非常に綺麗に写ります。レンズは35mmフィルム換算で35−140mm相当の光学4倍ズームレンズ(F3.5〜4.6)で、光学式手ブレ補正も装備。当時でもすでに広角端が28mmというのがスタンダードになりつつあった時代において35mmはやや狭く感じる向きもありますが、こちらも無理な作りをしていない分、歪みなどが少なく、使い方にもよるのでしょうが、僕の場合、30〜35mmぐらいの広角でも十分という使い方ですので、全く問題なし。
液晶は、タッチパネル搭載で、設定の変更のほか、ピント合わせの変更にも対応しております。ただ、あやまってタッチパネルに触ってしまい、「ちょっと待てよ!」となってしまうところが……これも使い方によるのですけど……難点といえば難点でしょうか。
 なお本機は高感度撮影が得意とのフレコミですが、こちらは次の機会にトライアルしてみたいと思います。

以下、作例、プログラム撮影。ISO125 ホワイトバランスオート、露出補正なし。筐体はiPhone6sで撮影。








広角端35mmで撮影、(A)。


(A)を光学望遠端140mmで撮影。


広角端35mmで撮影、(B)。


(B)を光学望遠端140mmで撮影。




Playing old digital camera SONY Cyber-shot DSC-TX1 2009 | Flickr

DSC-TX1 主な仕様 | デジタルスチルカメラ Cyber-shot サイバーショット | ソニー



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