覚え書:「折々のことば:833 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年08月04日(金)付。
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折々のことば:833 鷲田清一
2017年8月4日
「泣く時はほんまに泣いてしもたらあかんねんな、ちょっとボケ気味に、とぼけるように言うほうが悲しみは表現できるもんや」
(六代 豊竹呂太夫〈ろだゆう〉)
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人形浄瑠璃文楽太夫は、松竹新喜劇の先代渋谷天外と藤山寛美の「泣き笑い」の芝居からこう学んだと言う。語りにおいては「聴いてはる人の逆を突くような行き方が大事や」と。悲しみを押さえ込む、その心根のほうがいっそう悲しい。浄瑠璃は人の心をその二重底ごと語る。国文学者・片山剛との共著『文楽・六代豊竹呂太夫』から。
−−「折々のことば:833 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年08月04日(金)付。
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https://www.asahi.com/articles/DA3S13071084.html
文楽・六代豊竹呂太夫:五感のかなたへ
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