覚え書:「折々のことば:844 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年08月15日(火)付。

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折々のことば:844 鷲田清一
2017年8月15日

 あんたには在る。おれたちには無い。在るひとに、無いひとの気持ちは解(わか)らないよ

 (ある高齢のホームレスの男性)

     ◇

 震災と原発事故で避難生活を強いられている人の痛苦と、出稼ぎで郷里を離れたまま帰る家を失(な)くした人の痛苦を繋(つな)ぐ「蝶番(ちょうつがい)」のような小説『JR上野駅公園口』。そのあとがきで柳美里は、取材中に返された言葉を引く。思えば彼女自身も20年前の芥川賞受賞時、「私は日本人でも韓国人でもない。家族もない。そのないということを、書き続ける上で大切にしたい」と語っていた。
    −−「折々のことば:844 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年08月15日(火)付。

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https://www.asahi.com/articles/DA3S13087369.html


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