覚え書:「手塚治虫生誕90周年 カラー完全版 ふしぎな少年 雑誌連載当時の『ふしぎな少年』を完全再現!」、『朝日新聞』2018年03月02日(金)付。

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手塚治虫生誕90周年 カラー完全版 ふしぎな少年 雑誌連載当時の『ふしぎな少年』を完全再現!

手塚治虫生誕90周年
カラー完全版 ふしぎな少年 雑誌連載当時の『ふしぎな少年』を完全再現!
2018年03月02日

『カラー完全版 ふしぎな少年』


 サブタンこと大西三郎は工事中の地下道に入り、四次元の世界に吸い込まれてしまう。そこで「時間を止める」能力を身に着けたサブタンは、その力で次々と起こる怪事件に立ち向かっていく――。
 1961年から翌62年にかけて「少年クラブ」(講談社)に連載され、同時にNHKでテレビドラマも放送。「時間よとまれ!」のフレーズで一世を風靡したSF作品が、当時の「少年クラブ」を原本として連載時のカラーページも完全再現された。特筆すべきはこれまでの単行本に収録されず、幻のエピソードとされてきた「時限爆弾」と「鬼が島」の2編を初めて収録したこと。約1000ページのうち、実に300ページ以上が単行本初収録になるという。巻末にはテレビドラマ第1話のシナリオ、NHKのプロデューサーだった辻真先のインタビューが掲載され、特別付録として「ふしぎな少年かるた」も付いている。
 時代は週刊少年誌が創刊され、少年マンガの主戦場が月刊誌から週刊誌に移っていたころ。そんな中、本作は「少年クラブ」最終号まで連載された。編集者によるアオリ、ファンレターの宛先として紹介される当時の手塚治虫の住所などもそのまま掲載されており、末期の「少年クラブ」を知る上でも貴重な資料となっている。

『カラー完全版 ふしぎな少年』
著者:手筭治虫
出版社:小学館クリエイティブ
    −−「手塚治虫生誕90周年 カラー完全版 ふしぎな少年 雑誌連載当時の『ふしぎな少年』を完全再現!」、『朝日新聞』2018年03月02日(金)付。

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