覚え書:「折々のことば:891 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年10月02日(月)付。


        • -

折々のことば:891 鷲田清一
2017年10月2日

 避けることが遠ければ尊ぶことがいよいよ重く、接することが近ければ軽んずることがますます甚だしい

 (穂積陳重〈のぶしげ〉)

     ◇

 他人を実名で呼ぶことを避ける習慣を「忌み名」という。古くから、名で呼ぶことはその人に触れることだと思われてきた。そしてじかに触れないよう、尊ぶべき人は「頭」「社長」「先生」と呼び、蔑むべき人には思い切り近づいて、彼が自身を指して言う「おのれ」で呼んだ。明治・大正期の法学者の『忌み名の研究』(穂積重行校訂)から。
    −−「折々のことば:891 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年10月02日(月)付。

        • -

折々のことば:891 鷲田清一:朝日新聞デジタル




忌み名の研究 (講談社学術文庫)
穂積 陳重 穂積 重行
講談社
売り上げランキング: 739,028