覚え書:「折々のことば:893 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年10月04日(水)付。

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折々のことば:893 鷲田清一
2017年10月4日

 よしとする 生きたあかしが 何もない

 (浅利桂子〈73〉)

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 たいていの人は生きた証しなど持てず、未練や後悔を抱えつつ亡くなってゆくし、持てば持ったで後は思い出とともに生きてゆくしかない。ならばぽんとこう突き放したほうがいっそ爽やか。何かを言い切ることで得られる軽やかさというのも、人生への一つの折り合いのつけ方。シニア向けのミニコミ新聞「みやぎシルバーネット」9月号の川柳の投稿欄から。お題は「おりあい」。
    −−「折々のことば:893 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年10月04日(水)付。

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