覚え書:「折々のことば:902 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年10月14日(土)付。

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折々のことば:902 鷲田清一
2017年10月14日

 都市を……憂うる者の慰安所、また疲れたる者の休息所ともしてみたい。

 (柳田國男

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 そして農村を「志気(しき)の剛強なる者の国のために、努力しかつ思索する場所としたい」と続く。地方は本来、じかたとして「町方」と分業関係にあった。やがて都市経済が農村に浸潤してゆくにつれ、地方はその自治を解体され、「中央」との依存関係に置かれるようになる。都市生活がいよいよ神経を磨り減らす一方で、農村での生業は痩せ細っていった。民俗学者の『都市と農村』から。
    −−「折々のことば:902 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年10月14日(土)付。

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折々のことば:902 鷲田清一:朝日新聞デジタル







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