覚え書:「折々のことば:931 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年11月12日(日)付。
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折々のことば:931 鷲田清一
2017年11月12日
鳥の魂は空で、空の身体は鳥だ。
(岩田慶治)
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人間からすれば、空を飛ぶ鳥も、庭の小枝に止まる鳥も、籠の中の鳥も、焼かれた鳥も、みな鳥だ。が、鳥にとっては、空の懐深くに抱かれて自由に飛ぶ時だけが鳥なのだと、文化人類学者は言う。鳥は空を魂とし、のびやかに飛翔(ひしょう)する。空は鳥を身体とし、その透きとおる広がりを自在に描く。そこでは、飛ぶことと身をまかせることが一つとなっている。『カミの人類学』から。
−−「折々のことば:931 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年11月12日(日)付。
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カミの人類学―不思議の場所をめぐって (講談社文庫)
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