覚え書:「折々のことば:937 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年11月19日(日)付。


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折々のことば:937 鷲田清一
2017年11月19日

 ヒロシマには歳(とし)はないから。あの日のまま何十年たってもあの日そのまま。

 (佐伯敏子)

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 「被爆した者にとっては毎日があの日」と、原爆で13人の親族を失った女性は言う。原爆症に苦しみつつも約40年、毎日供養塔に通い、掃除をし、修学旅行生に体験を語り続けた。ここには、核兵器がなくるまで広島には歳をとらせまいとの思いも。激痛は、追想にに浸ることも未来に思いを託すことも許さず、人を現在に貼りつける。手記『ヒロシマは歳はないんよ』から。
    −−「折々のことば:937 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年11月19日(日)付。

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