日記:学問の領域で『個性』をもつのは、その個性ではなくて、その仕事(ザッへ)に仕える人のみである


        • -

さて、お集まりの諸君! 学問の領域で「個性」をもつのは、その個性ではなくて、その仕事(ザッへ)に仕える人のみである。しかも、そのことたるや、なにも学問の領域にばかり限ったことではない。芸術家でも、自分の仕事(ザッへ)に仕えるかわりになにかほかのことに手を出した人には、われわれの知るかぎり偉大な芸術家は存在しないのである。いやしくその仕事に関するかぎり、たとえゲーテほどの偉大な人でも、もし自分の「生活」そのものを芸術品にしようなどとあえて試みるときは、かならずその報いを受けなければならない。
    −−ヴェーバー(尾高邦雄訳)『職業としての学問』岩波文庫、1980年、27ー28頁。

        • -


ヴェーバー『職業としての学問』を読む | すたぽ-Starting Point-





職業としての学問 (岩波文庫)
マックス ウェーバー
岩波書店
売り上げランキング: 28,992