覚え書:「折々のことば:965 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年12月18日(月)付。


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折々のことば:965 鷲田清一
2017年12月18日

 昭和十年代の軍事指導者らは自分に都合の悪いことが生じたとき、箝口令(かんこうれい)と戦死の二大命令を兵士たちに強要するのが特徴であった。

 (保阪正康

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 事件が起こるや直ちに箝口令を敷き、関係する兵士を激戦地へ送ったことが、当時の兵士の証言が記録として残されていない理由だと、ノンフィクション作家・評論家は、昭和11年の二・ニ六事件を検証する中で指摘する。長年その究明に取り組むのは、同じ構造がその後も反復されて今に至っているから。『ナショナリズムの昭和』から。
    −−「折々のことば:965 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年12月18日(月)付。

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折々のことば:965 鷲田清一:朝日新聞デジタル







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