覚え書:「折々のことば:970 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年12月23日(土)付。


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折々のことば:970 鷲田清一
2017年12月23日

 感覚について言えば、不平不満が「形容詞」には渦巻いているようでもある。

 (森山卓郎)

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 色名は無数にあるのに、まずい、辛い、苦い、酸っぱいなど、味覚を表す形容詞は意外に少ない。昔の人は素材をそのまま食し、どうもいけない、というヤバい味をおもに「○○い」と表現したからではないかと日本語学者は推理する。痛いや痒い、暑いや寒いもそう。感覚とは微かな異変の察知のことを言うのかも。連載エッセー「日本語ノート」(「船団」第115号)から。
    −−「折々のことば:970 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年12月23日(土)付。

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