日記:松本清張『砂の器』を読む/「人間への関心」とは至極、現代的課題である。

知人の勧めで松本清張砂の器』を読む。

清張の作品はノンフィクションしか読んだことがなく、小説は初めてだが、一気に読み終えた。ネタバレを慎み筋は横に置くが、読書の楽しみとは、知識を得たり蒙を啓くことだけにあるのではなく、読むこと自体の楽しみの中にも、その醍醐味があるのだなあと実感する。

佳き一時となった。

文藝春秋松本清張全集5』(1971年)の解説は映画評論家の佐藤忠男さん。曰く「万人が万人に生き生きとした関心をもちながら、その関心が決して束縛や差別とはならないような、そんな理想社会があり得るのかどうか、ということを、私は松本清張推理小説を読みながら考えるのである」。 「人間への関心」とは至極、現代的課題である。






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