覚え書:「今週の本棚:リアル30’s “生きづらさ”を理解するために=『リアル』30’取材班」、『毎日新聞』2012年11月11日(日)付。
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今週の本棚:リアル30’s “生きづらさ”を理解するために=『リアル』30’取材班
(毎日新聞社・1365円)
「失われた20年」に青春期を過ごし、就職氷河期を経験した30歳世代。彼らの多くが感じる「生きづらさ」とは一体何かを、同世代の記者たちがていねいに掘り下げた。
登場する「30’s」は1978〜82年ごろに生まれた世代。彼らがちょうど思春期を迎えたころバブル経済が崩壊し、日本の社会・経済構造は大きく変わった。合理化・効率化が進み、非正規雇用が増え、社会から急速に余裕が失われていった。この世代が今、仕事や結婚、出産、育児など人生の大きな選択を迫られる局面を迎えている。先の見えない時代だけにその選択とは先行世代とは比べようもなく難しく、重い。
彼らの迷いや葛藤、希望は多種多様だ。正規か非正規か、未婚か既婚か、都会か地方かーー一つとして同じものはなく、一くくりにできない。だから思いを共有できず分断される。「これこそが生きづらさではないか」と同世代の記者は見る。
しかし、絶望や苦悩だけではない。自分たちで社会を変えようとする果敢な試みと希望も提示する。毎日新聞紙上での同名連載を書籍化。ツイッターに寄せられた声も多数収録している。(山)
−−「今週の本棚:リアル30’s “生きづらさ”を理解するために=『リアル』30’取材班」、『毎日新聞』2012年11月11日(日)付。
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http://mainichi.jp/feature/news/20121111ddm015070040000c.html