覚え書:「みんなの広場 原発に隕石、果たして杞憂?」、『毎日新聞』2013年02月28日(木)付。






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みんなの広場
原発に隕石、果たして杞憂?
無職 65(山口県周南市

 取り越し苦労を意味する「杞憂(きゆう)」は、中国の古代王朝・周にあった杞の国の人が天地が崩れるなどとありもしないことを憂えた故事からきている。隕石の落下もこれまでは、多くの人が杞憂と思っていたかもしれない・
 だが先日、ロシア・ウラル地方に落下し、約1500人が負傷したことで無用の心配とは言えなくなったと思う。落下地点とみられる湖から90キロ北には核燃料製造・再処理施設があった。直撃していれば、悲惨な大災害になったであろう。
 しかし、日本の原子力規制委員会が策定中の安全基準は、隕石の原発への衝突を想定していない。「質問なるほドリ」によると「頻度が低く、考え出すときりがない」の理由という。しかし確立が限りなく低いことをよいことに対応を怠っているのが実情ではないか。可能性がある以上「直撃するはずはない」とは信じられない。ロシアの空を走った閃光や流星痕を目の当たりにした今、隕石も現実的な脅威と考える。
    −−「みんなの広場 原発に隕石、果たして杞憂?」、『毎日新聞』2013年02月28日(木)付。

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