書評:ポール=ジェラール・パソル『ルイ・ヴィトン 華麗なる歴史』河出書房新社、2012年。




ポール=ジェラール・パソル『ルイ・ヴィトン 華麗なる歴史』河出書房新社、読了。本書は150年を超えるルイ・ヴィトンの歴史を、完全収録した大型ビジュアルブック。700点超の図版・証言・記録で558頁、その歩みを立体的に紹介する。重量4キロ、価格16800円はダテじゃない。本物の意義を一冊に凝縮した。

前半はルイに始まる三代の歩みを概観する。創業者は十代で職人の道へ。ヴィトンとは「固い頭」の意味。ここにクラフツマンシップの原点がある。旅行鞄からファッションへ−−。その原点ゆえに新しい挑戦が「伝統」になっていく。

一利用者・愛好者としてヴィトンの特色はリペアにある。物を大切にすること=持ち手を大切にすることと思っていたが、その意義が理解できた。質草にすぎないと思う人にも、訝しがる清貧派にも手にとって欲しい。




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ルイ・ヴィトン 華麗なる歴史
ポール=ジェラール パソル
河出書房新社
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