書評:ラッセル・スタナード(新田英雄訳)『相対性理論 常識への挑戦』丸善出版、2013年。




ラッセル・スタナード『相対性理論 常識への挑戦』丸善出版、読了。本書はオックスフォード大学出版局より刊行のVery Short Introductionシリーズの一冊。特殊相対性理論と一般相対性論を中学生でもわかるように分かり易く解説することに挑戦した一冊(新書で150頁)。

同時刻の定義から説ききおこし、重力波に至るまで−−。相対論から導かれた結論1つに対して、それを裏付ける実験事実と観測結果を併記することで、本書はアインシュタインの思考の軌跡をより分かり易く紹介することに成功している。

「常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクションである」。冒頭に掲げられたアインシュタインの言葉である。常識に挑戦することは自然科学にだけ必要なのではない。日常生活で躓いた時こそ光り輝く一節だろう。おすすめです。






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