覚え書:「みんなの広場 麻生氏、発言撤回ではすまない」、『毎日新聞』2013年08月08日(木)付。

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みんなの広場
麻生氏、発言撤回ではすまない
翻訳業 62(東京都品川区)

 「ナチス・ドイツの手口を学んだらどうか」という耳を疑う発言をして、さっそく国際的非難を浴びた麻生太郎副総理が発言を撤回した。
 この種の暴言の常として、撤回の弁明を真意と異なり誤解を招いたとしているが、本紙8月1日夕刊の「発言要旨」を読む限り、ヒトラーに学べと確かに言っているし、国民がよく分からないうちに改正してしまおうとの趣旨に取れる。
 憲法「改正」が必要だという空気のようなものができ上がっているが、実は日本国憲法がその趣旨の通り実現されたことはないのである。逆にそれを徹底すれば、もっと自由で平等な社会となるだろうが、麻生氏が代表する自民党はその反対のことを「憲法改正草案」で言っている。
 本当に民主主義を信奉し、ナチスを否定するならば、絶対に出るはずのない発言であり、こうした人物が副総理でいる現内閣の危険思想の発露とみるべきである。発言撤回ではすまない重大問題である。
    −−「みんなの広場 麻生氏、発言撤回ではすまない」、『毎日新聞』2013年08月08日(木)付。

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