覚え書:「今週の本棚・新刊:『沖縄の自立と日本』=大田昌秀・新川明・稲嶺惠一・新崎盛暉、著」、『毎日新聞』2013年09月22日(日)付。
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今週の本棚・新刊:『沖縄の自立と日本』=大田昌秀・新川明・稲嶺惠一・新崎盛暉、著
毎日新聞 2013年09月22日 東京朝刊
(岩波書店・2205円)
副題は「『復帰』40年の問いかけ」。元県知事と前県知事、沖縄大名誉教授、元沖縄タイムス会長が、論考と座談会で沖縄の歴史をひもとき、あるべき将来を展望した。
沖縄の行政とジャーナリズム、アカデミズムを代表する4人の「ヤマト=本土」批判は激烈だ。いわく、沖縄にとって日本は帰るべき「祖国」だったのか。日本政府は沖縄の人々を人間扱いせず、モノ扱いしてきた。日本はアメリカの従属国で、沖縄はその日本の植民地のようなもの。本土の人間は防衛を沖縄に任せて知らんふりしている……。
オピニオンリーダーたちのこうした指摘は、もろもろの問題を内包する米軍基地の多くを、沖縄に任せたままでいる私たちヤマト人の良心を揺さぶってくる。また、稲嶺は「米軍基地がなければ、沖縄は経済的に立ちゆかない」というありがちな思い込みに、データを示して反論している。
日本国からの「独立」についての可能性とプロセスなどについては、4人の間に温度差がにじむ。だが、沖縄ではヤマトへの不信感、怒りのマグマが鬱積していることを痛感させられた。(栗)
−−「今週の本棚・新刊:『沖縄の自立と日本』=大田昌秀・新川明・稲嶺惠一・新崎盛暉、著」、『毎日新聞』2013年09月22日(日)付。
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http://mainichi.jp/feature/news/20130922ddm015070044000c.html
沖縄の自立と日本――「復帰」40年の問いかけ
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