覚え書:「みんなの広場 秘密保護法では安全守れぬ」、『毎日新聞』2013年10月03日(木)付。

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みんなの広場
秘密保護法では安全守れぬ
弁護士 74(兵庫県川西市

 安倍内閣は、国民の安全を確保するため特定秘密保護法の制定が急務だという。歴史を振り返れば、国の安全に関わる情報をこのような方法で秘匿することが国民の安全を守ることになるとは到底思えない。
 憲法は「政府の行為によって再び戦争の惨禍」を起こさないことを決意し、主権は国民にあることを宣言し制定された。敗戦まで政府は徹底的に秘密保護法制を敷き、ミッドウェー海戦の大敗北など政府に不都合な事実を隠し続けた。国民は必要な情報を一切入手できず、「大本営発表」を信じ込まされた。にもかかわらず、国民の安全は確保されなかった。逆に、大敗北という「防衛に関する重要な情報」が国民に知らされていたら、その後の無謀な作戦は中止され、310万人もの戦争死者を出すことはなかった。
 法案は、国の安全に関わる情報は何よりも主権者である国民のものであり代表者を選挙するために不可欠なものという民主主義の基本を忘れている。
    −−「みんなの広場 秘密保護法では安全守れぬ」、『毎日新聞』2013年10月03日(木)付。

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