覚え書:「ひと:メアリー・アン・ライトさん=9条堅持を訴える元米陸軍大佐」、『毎日新聞』2013年11月13日(水)付。


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ひと:メアリー・アン・ライトさん=9条堅持を訴える元米陸軍大佐
毎日新聞 2013年11月13日 東京朝刊

 ◇メアリー・アン・ライト(Mary Ann Wright)さん(67)

 「悲しいことだが、現在の日本は軍国主義への坂道を滑り落ちている」。このほど、大阪市で市民団体が主催した「9条世界会議・関西2013」で数千人の聴衆に語りかけた。5年ぶりに訪れた日本。高まる日本国憲法9条改正の流れに強い懸念を抱く。

 米陸軍で数々の功績を重ね、大佐まで昇進。外交官としてもアフガニスタンシエラレオネなど過酷な地で重責を担い、計35年間、母国に尽くした。時に武力行使は必要との立場だが、2003年3月のブッシュ元大統領によるイラク侵攻決定は見過ごせなかった。「(侵攻理由の)大量破壊兵器保有疑惑に真実味はなく、開戦すれば多くの市民が犠牲になるのは明らかだった」。侵攻前日に抗議の辞任。平和運動家に転じた。

 イラク侵攻を支持し、米軍の後方支援に回った日本政府にも疑問を投げかける。「日米同盟は必要でも、間違った時にきちんと指摘するのが、真の友人ではないか」

 アフガン・イラク侵攻、中東・北アフリカへの介入で、米国は莫大(ばくだい)な負担に苦しむ。「軍事、財政面で日本の一層の協力を得たいがために、米国こそが9条改正を望んでいる」と指摘。「外圧に負けず、戦争放棄をうたう9条を守り抜いてほしい」と訴える。

 この1年で欧州や中東、アジアなど12カ国の平和集会に参加した。9条の尊さへの確信は深まるばかりで「私の旅はまだ終わりそうにない」。<文と写真・鵜塚健>

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 ■人物略歴

 米ハワイ州在住。女性平和団体「コードピンク」所属。米政府によるパレスチナ政策などにも異議を唱える。
    −−「ひと:メアリー・アン・ライトさん=9条堅持を訴える元米陸軍大佐」、『毎日新聞』2013年11月13日(水)付。

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http://mainichi.jp/shimen/news/20131113ddm008070123000c.html









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