覚え書:「みんなの広場 『スパイの親』悲劇繰り返すな」、『毎日新聞』2013年11月20日(水)付。
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みんなの広場
「スパイの親」悲劇繰り返すな
無職 81(千葉市若葉区)
72年前の12月8日、太平洋戦争開戦の日、北海道帝国大生の宮沢弘幸さんは「軍機保護法」違反で特高警察に検挙された。宮沢さんは拷問を受けながらも「やっていない」と叫び続けた。
根室飛行場の存在を外国人に話したことなどがスパイ行為とされたが、飛行場はリンドバーグが飛来した飛行場として公知の事実だった。しかし、大審院(現在の最高裁)は懲役15年の刑を下し、網走刑務所に閉じ込めた。
戦後釈放されたが、獄中の衰弱がもとで27歳で亡くなり、両親も「スパイの親」として死んだ。
宮沢さんの妹で私の友人、秋間美江子さん(86)は、米コロラド州ボルダーで「日本のみなさん、私たち家族が味わった悲しみと苦しみを二度と繰り返してはなりません」と叫んでいる。
国会は72年前に「スパイ冤罪事件」が引き起こされ、今なお家族が苦しんでいる現実を直視し、そのうえで、国民の耳、目、口をふさぐ特定秘密保護法案を廃案にすべきだ。
−−「みんなの広場 『スパイの親』悲劇繰り返すな」、『毎日新聞』2013年11月20日(水)付。
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関連:井上勝生「戦時下、時代に棹さした北大生宮澤弘幸、再論:逸見勝亮氏『宮澤弘幸・レーン夫妻軍機保護法違反冤罪事件再考』評」、『北海道大学大学文書館年報』第6号、2011年3月。
http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/45216/1/ARHUA6_005.pdf