覚え書:「今週の本棚・新刊:『大転換期 日本の人口事情』=エイジング総合研究センター・編著」、『毎日新聞』2014年09月21日(日)付。


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今週の本棚・新刊:『大転換期 日本の人口事情』=エイジング総合研究センター・編著
毎日新聞 2014年09月21日 東京朝刊

 (中央法規出版・1944円)

 国内外の高齢化などに関する調査研究に実績を持つ民間研究機関「エイジング総合研究センター」が、戦後から現代までの日本の姿を「人口」を軸にコンパクトにまとめた。

 国勢調査出生率、進学率、国連資料など多彩なデータを駆使するほか、坂東眞理子昭和女子大学長による「団塊の世代」、甲斐一郎・日本老年学会理事長による「終末期医療について」の考察などもあり、硬軟を織り交ぜた内容になっている。

 また、センターに携わる専門家が過去に機関誌に寄せたコラムも掲載し、識者の時々の問題意識を知ることができる。樋口恵子・東京家政大名誉教授は「『家族』、今は積み過ぎた方舟(はこぶね)」と題して家族の役割の変化をつづった。

 日本の人口は戦後すぐは約7200万人だったが、ベビーブームから、急速な少子高齢化、非婚・晩婚化などの要因で激変し、今は減り始めている。本書はそうした経緯も含めて今日の人口現象を「人間社会の発展」ととらえる。その視点で蓄積された研究の知見は今後の社会保障などを展望する上で土台の一つとなり、同じ道を歩む諸外国の制度づくりに示唆の富むものになっている。(遠) 
    −−「今週の本棚・新刊:『大転換期 日本の人口事情』=エイジング総合研究センター・編著」、『毎日新聞』2014年09月21日(日)付。

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http://mainichi.jp/shimen/news/20140921ddm015070015000c.html





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大転換期 日本の人口事情―少子高齢社会の過去・現在・将来
エイジング総合研究センター
中央法規出版
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