覚え書:「(ひと)李イェダさん 韓国で兵役を拒否しフランスへ亡命した」、『朝日新聞』2014年10月25日(土)付。
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(ひと)李イェダさん 韓国で兵役を拒否しフランスへ亡命した
2014年10月25日05時00分
李イェダさん
北朝鮮と時に戦火を交える韓国。男性は、2年ほどの兵役義務がある。宗教上の理由などで拒否して懲役に処せられる人は年数百人いるが、亡命は極めて珍しい。
1匹の蚊も殺せない性格。中学生のころ、釈迦の生涯を描いた手塚治虫の漫画「ブッダ」に感動した。「人の命を奪う権利はなく、殺人の訓練は受けられない」
母は「遠くに行かないで。刑を終えれば会えるじゃない」と泣いた。しかし、国を捨てる決意は固かった。「兵役を終えないと非国民扱い。就職もできない」。同様のケースが相次ぐのを恐れたのか、韓国の大手メディアはほとんど、この亡命を報じていない。
日本語を短大で学び、日本行きも考えたが、難民認定が厳しかった。2年前、入隊直前に約600ドルと片道切符を手にパリへ。「社会の構成員からの迫害と収監への恐怖」を理由に仏政府に難民認定を申請。昨年6月に認められた。
先月、作家の雨宮処凛(かりん)さんの招きで来日、都内で講演した。韓国軍では時々いじめ殺人や銃乱射が起きる。「社会から隔絶され、緊張を強いられる非人間的生活のせいだ」。集団的自衛権の容認で徴兵を心配する聴衆に「正しいと思うことをするためには外国に行くか、刑に服すしかない。こんな社会にしてはいけない」と語った。
今なお家族とは会えない。言葉を学び、仏国籍の取得をめざしてパン屋で働く。
(文・写真 桜井泉)
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イイェダ(23歳)
−−「(ひと)李イェダさん 韓国で兵役を拒否しフランスへ亡命した」、『朝日新聞』2014年10月25日(土)付。
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http://www.asahi.com/articles/DA3S11420273.html