覚え書:「今週の本棚・新刊:『知日 なぜ中国人は、日本が好きなのか!』=毛丹青、蘇静、馬仕睿ほか著」、『毎日新聞』2015年02月22日(日)付。

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今週の本棚・新刊:『知日 なぜ中国人は、日本が好きなのか!』=毛丹青、蘇静、馬仕睿ほか著
毎日新聞 2015年02月22日 東京朝刊

 (潮出版社・1620円)

 対立する国同士を和解に導くには、互いの文化を深く理解することが一番だと、本書を読み改めて痛感させられた。日本と中国とはナショナリズムに火がつきやすい領土問題を抱えている。だが、中国では日本文化を紹介する雑誌『知日』が大ヒットしている。本書はそのダイジェスト版。副題通り「なぜ中国人は、日本が好きなのか!」と、等身大の日本を浮き彫りにし、両国人の認識の違いを教えてくれる。

 『知日』が誕生したのは、尖閣諸島沖での漁船衝突事件が発生して間もない2011年1月だった。毛丹青主筆は、「(事件発生は)最大の好機が到来した」と逆転の発想から刊行を決断したと述懐している。「反日感情が最高潮に達した時こそ、それとは逆の反応を示す人たちが必ず出てくる」と、予測したからだ。

 中国の若者たちは、日本カルチャーへの関心が高く、それが日本語習得の動機にもなっている。『知日』のテーマも「制服」「鉄道」「明治維新」「妖怪」「礼儀」など多様で、毎号変わる。「猫」「漫画」の発行部数は10万部を突破した。日本の若者たちの中国への関心の低さが、気掛かりになる。(喬)
    −−「今週の本棚・新刊:『知日 なぜ中国人は、日本が好きなのか!』=毛丹青、蘇静、馬仕睿ほか著」、『毎日新聞』2015年02月22日(日)付。

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http://mainichi.jp/shimen/news/20150222ddm015070063000c.html


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知日 なぜ中国人は、日本が好きなのか!
毛丹青 蘇静 馬仕睿
潮出版社
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