覚え書:「今週の本棚・新刊:『揺らぐ世界 中学生からの大学講義4』=桐光学園・ちくまプリマー新書編集部・編」、『毎日新聞』2015年04月19日(日)付。
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今週の本棚・新刊:『揺らぐ世界 中学生からの大学講義4』=桐光学園・ちくまプリマー新書編集部・編
毎日新聞 2015年04月19日 東京朝刊
(ちくまプリマー新書・929円)
複数の有識者による「中学生からの大学講義」シリーズの第4巻。講師は、評論家の立花隆▽京都大大学院教授(現代アラブ文学)の岡真理▽社会学者の橋爪大三郎▽映画監督の森達也▽国際政治学者の藤原帰一▽文化人類学者の川田順造▽一橋大名誉教授(社会学・経済学)の伊豫谷登士翁(いよたにとしお)−−の7人。グローバル化が進む世界を理解するうえで、さまざまな補助線を与えてくれる。
立花は「情報操作」という戦争の一側面から「ヒロシマ・ナガサキ・アウシュビッツ・大震災」の共通点を解き明かしつつ、「トラウマティックな体験」を経たポスト震災世代に期待する。岡はイスラエル建国に伴う「大いなる破局(ナクバ)」を中心に、「アラブ人」とは誰か?や国際社会で「人間の尊厳」を否定されたパレスチナ人の現状を解説する。橋爪の「世界がわかる宗教社会学」は無意識のうちに人々の行動様式となっている宗教について、平易な言葉で説明。まさに宗教がわかると、世界がわかる格好の入門編だ。
各章扉に添えられた、イラストレーター南伸坊による講師の似顔絵と、各章末の書きおろしの「若い人たちへの読書案内」がうれしい。(な)
−−「今週の本棚・新刊:『揺らぐ世界 中学生からの大学講義4』=桐光学園・ちくまプリマー新書編集部・編」、『毎日新聞』2015年04月19日(日)付。
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http://mainichi.jp/shimen/news/20150419ddm015070012000c.html