覚え書:「今週の本棚・新刊:『哲子の部屋 1−3』」、『毎日新聞』2015年05月03日(日)付。
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今週の本棚・新刊:『哲子の部屋 1−3』
毎日新聞 2015年05月03日 東京朝刊
(河出書房新社・各1058円)
NHK Eテレ深夜の特別番組の書籍化。約30分番組の2時間に及ぶ収録をほぼノーカットで文字おこしした。女優の清水富美加(とみか)と俳優・ミュージシャンのマキタスポーツに、1、2では哲学者の國分功一郎が、3では哲学者の千葉雅也が、映画などを教材に哲学の話をする、練られた構成となっている。
1の「哲学って、考えるって何?」では、“現代哲学の巨人”ジル・ドゥルーズの言葉を中心に紹介。「哲学とは“新しい概念”をつくりだすこと」として、國分は概念を体得する大切さを力説する。「人は考えるのではなく、考えさせられる(、、、、、)」の意味を理解するため、ラブコメディー「恋はデジャ・ブ」から引用する。2のテーマは「人はなぜ学ばないといけないの?」。マダニの生態から説き起こし、生物が生きるそれぞれ異なった時間と空間を意味する「環世界」について解説する。
3は「“本当の自分”って何?」。千葉が「人はみな“変態”である」との命題を提示するが、18歳の清水は腑(ふ)に落ちたか? 國分、千葉ともに専門がフランス現代思想のためか、3冊は青、白、赤のトリコロールになっている。(な)
−−「今週の本棚・新刊:『哲子の部屋 1−3』」、『毎日新聞』2015年05月03日(日)付。
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http://mainichi.jp/shimen/news/20150503ddm015070006000c.html
哲子の部屋 1: 哲学って、考えるって何?
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哲子の部屋 2: 人はなぜ学ばないといけないの?
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哲子の部屋 3: “本当の自分”って何?
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