覚え書：「今週の本棚・新刊：『沖縄ソリューション 「普天間」を終わらせるために』＝橋本晃和、マイク・モチヅキ著」、『毎日新聞』2015年08月16日（日）付。
-
-
-
- -
-
-
今週の本棚・新刊：『沖縄ソリューション 「普天間」を終わらせるために』＝橋本晃和、マイク・モチヅキ著
毎日新聞 2015年08月16日 東京朝刊
（桜美林学園出版部・１６２０円）
「ここまで議論が長引くとは思いもよらなかった」−−。１９年前に米軍普天間飛行場返還を日本と合意した米クリントン政権のブレーンを務めた米ジョージ・ワシントン大のマイク・モチヅキ教授による回顧談で、本書は始まる。移設を進める政府と反対する沖縄県の抜き差しならない対立状態を解消し、現実的な解決に導こうと、モチヅキ氏と共同研究を続けてきた桜美林大学大学院の橋本晃和特任教授が提言をまとめた。
県民の間に高まる「沖縄差別」の意識について、１９４５年以降の県民の民意の変遷を、９５年の女児暴行事件まで▽普天間返還合意から２００４年の沖縄国際大ヘリ墜落まで▽０５年以降−−に分けて解説。本土側が沖縄と歴史を共有し「共感」を抱くことの大切さを指摘している。
その上で、米国の戦略上、海兵隊は沖縄に集中する部隊から、オーストラリア・グアム・ハワイ・日本本土にシフトしつつあると指摘。オスプレイの本土での分散展開や、現行計画見直しなどを提案する。書名の「ソリューション」は「解」。政府が移設作業を中断し、県との関係の「仕切り直し」に入った今、考えるヒントをくれる一冊だ。（上）
−−「今週の本棚・新刊：『沖縄ソリューション 「普天間」を終わらせるために』＝橋本晃和、マイク・モチヅキ著」、『毎日新聞』2015年08月16日（日）付。
-
-
-
- -
-
-
http://mainichi.jp/shimen/news/20150816ddm015070104000c.html
