覚え書:「折々のことば:188 鷲田清一」、『朝日新聞』2015年10月10日(土)付。
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折々のことば:188 鷲田清一
2015年10月10日
彼女が「らい者」を用いたのではなく、用いられたのは彼女の方だった。彼女を奮い立たせた感情は、用いられたところに生まれた。
(若松英輔)
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後半生をハンセン病患者の治療に捧げた神谷美恵子は、診療のかたわら研究を続けていたが、ある時、そこから洩れる患者の「声に肉体を与えること」が、書き手としての自分の仕事と思うに至った。自分がその人の声の代わりになること、<器>として使われることこそ、研究者の本望と考えた。批評家の「魂にふれる」から。
−−「折々のことば:188 鷲田清一」、『朝日新聞』2015年10月10日(土)付。
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http://www.asahi.com/articles/DA3S12009232.html