覚え書：「今週の本棚・新刊：『日本外交の挑戦』＝田中均・著」、『毎日新聞』2015年10月11日（日）付。
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今週の本棚・新刊：『日本外交の挑戦』＝田中均・著
毎日新聞 2015年10月11日 東京朝刊
（角川新書・８６４円）
北朝鮮による拉致問題や沖縄・普天間基地問題の解決に尽力した元外交官の著書だけに、現場を踏まえての外交論議を展開する。「日本が正しい戦略を持ち、能動的外交を進めていかなければ、日本の未来も、東アジアの未来も明るくならない」と指摘。そのための方策を明記している。
「地政学リスク」として、中国を挙げ、「複数政党制の民主主義は想定できない」として、「有効なチェックの手立ては、引き続き米国に求めざるを得ない」と分析。日中関係は４０年周期で転換期を迎えている歴史を列記し、ＧＤＰ逆転から４０年後を展望する外交を求めている。
日中両国が有力国として併存する歴史上初の事態への対応策として、日中間での「信頼」構築上、歴史修正主義は厳禁だ、と指摘。また、「尖閣問題には解がない」との認識を持つことを提唱。問題の相対化が「唯一の対処の方策」と、明言する。
日韓両国は、対中国・北朝鮮での課題には「利益の共有がある」と断言。「過去から起因する問題については外交問題とはしない」との日韓共同宣言の再確認とともに、「歴史問題で韓国を傷つけることがないよう」日本の自制も促している。（喬）
−−「今週の本棚・新刊：『日本外交の挑戦』＝田中均・著」、『毎日新聞』2015年10月11日（日）付。
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http://mainichi.jp/shimen/news/20151011ddm015070053000c.html
日本外交の挑戦 (角川新書)
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