覚え書:「今週の本棚・新刊『「地方創生」はこれでよいのか JAが地域再生に果たす役割』=石田信隆、農林中金総合研究所・編著」、『毎日新聞』2016年1月10日(日)付。
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今週の本棚・新刊
『「地方創生」はこれでよいのか JAが地域再生に果たす役割』=石田信隆、農林中金総合研究所・編著
毎日新聞2016年1月10日
(家の光協会・1512円)
2014年から15年にかけて、JAグループは激しい逆風にさらされた。農協改革で全国農業協同組合中央会(JA全中)は力をそがれ、反対してきた環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉も大筋合意に達した。
本書は、グループのシンクタンクである農林中金総研が、JAの存在意義を再確認するためにまとめたものだ。
安倍政権が掲げる「地方創生」の必要性には同意しつつ、相変わらず中央主導の政策であり、地域再生の担い手を育てて自立的な取り組みをどう起こすかという観点が弱いと指摘。「内発的発展」こそが進むべき道だと主張する。
そのための条件として、(1)外部企業への依存から脱却する(2)移出を増やし移入を減らす(3)地域内の産業のつながりを強める−−ことを挙げた。そして、JAが協同組合の力を生かして地域再生の要になるべきだ、と呼びかけている。
直接のメッセージは改革を迫られるJAグループ内部に向けられているが、提示された理念や日本各地の先進事例は、地域にかかわる人々一般にも有益だろう。(一)
−−「今週の本棚・新刊『「地方創生」はこれでよいのか JAが地域再生に果たす役割』=石田信隆、農林中金総合研究所・編著」、『毎日新聞』2016年1月10日(日)付。
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今週の本棚・新刊:『「地方創生」はこれでよいのか JAが地域再生に果たす役割』=石田信隆、農林中金総合研究所・編著 - 毎日新聞