日記:国家は素晴らしいとの発想に加えて「政府の言うことに反対するな」がこの国の「大人」の常識。だからこそ批判的対峙が必要なの
政府のなすこと全てに関して批判的知性で対峙しなければならないとまでは言いませんが、政府のなすことは素晴らしいから出発してしまうと完全にアウトでしょう。あらゆる戦争とは「国民の生命、身体、財産」を守るがその第一の理由ですし。https://t.co/2eavBxKcuk
— 氏家法雄 (@ujikenorio) 2016年4月29日
これがこの忖度社会の現状→自分も「顔が見える」会社や友だちの間で政治のことは話さない。「話そかな、1 話さない、前に出ない デモに参加、顔出しはNG」『朝日新聞』2016年4月29日付 https://t.co/0uSCW2xApB pic.twitter.com/Kgth8Yj8VN
— 氏家法雄 (@ujikenorio) 2016年4月29日
あんたのところの嫁は狂っているのか――初めて声をあげた人の周囲にも「前に出ない方がいい」との空気がまとわりつく。
— 氏家法雄 (@ujikenorio) 2016年4月29日
国家は素晴らしいとの発想に加えて「政府の言うことに反対するな」がこの国の「大人」の常識。だからこそ批判的対峙が必要なのhttps://t.co/0uSCW2xApB
この社会は政治について発言することのハードル高すぎるよね。どこからともなく誹謗中傷まがいの言葉が湧いてくる。百歩譲って俺らに来るのはわかるけど(いや本当はわかんないけど…笑)どんなに勉強したって絶対正しいことなんて言いようがないんだから誰かの素朴な声を認められる社会にしたいよね。
— 諏訪原 健 (@swa_swa_swatch) 2016年4月28日
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話そかな、 1 話さない、前に出ない デモに参加、顔出しはNG
2016年4月29日
グラフィック・山本美雪
■「みる・きく・はなす」はいま
「保育園落ちたの私だ」
3月5日、そんな言葉が書かれた紙を手にした約30人が国会前に立った。
東京都大田区の会社員倉橋あかねさん(52)は自分を実名でさらす覚悟で、前日昼に「国会に行く」とツイートした。「私も行く」。声は1日で広がった。
衆院予算委員会で「保育園落ちた日本死ね!!!」と題した匿名ブログと、待機児童問題が議論されたのは2月29日。安倍晋三首相の「匿名である以上、実際にそれが本当かどうか」との答弁、議員席からは「ちゃんと本人を出せ」のやじ。
倉橋さんはその動画を見て次男の保育園が見つからず苦労した「20年前の怒りが解凍された」という。
匿名の誰か?
「出て行ってやる」
東京都品川区の30代男性も20代の妻、0歳の息子と国会前に立った。
自分も妻も会社勤め。妻の育休明けに向けて申し込んだ二つの保育所に「落ちた」ばかりで、やじに怒りを抑えられなかった。
政治は「どうせ変えられない」と思う一方、心のどこかで「高い税金を払っているのに」と感じていた。デモには「うるさいな」と否定的だったが、国会前では穏やかに談笑する人ばかりで安心した。
ただ、「一緒に写真を撮りましょう」と言われると、心がざわついた。
SNSに載る? 名前や顔は絶対に出したくない。インターネット上で攻撃され、会社に「どういうこと?」と聞かれるかも。辞めさせられる? 聞かれること自体が面倒ごとだ。
写真は全て断った。
自分も「顔が見える」会社や友だちの間で政治のことは話さない。出る杭をたたく人は、必ずいる。個人はさらけ出せない。
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3月9日、子を抱く母親たちが塩崎恭久厚生労働相に、保育制度の充実を求める約2万7千人の署名を手渡した。メディアに映った彼女たちへの攻撃がネット上で始まった。服がブランド品だ、抱っこひもが高級だ――。
「やっぱり」。5日に国会前に立った品川区の男性は思った。攻撃材料は何でもよく、声をあげる人へのねたみもあるんだろう。「それでも、みんな雰囲気におびえる。個人が前に出ること自体がよくない、日本の空気の本質でしょう。実名や顔は出せない」
23日、衆院第2議員会館での待機児童問題の集会には約50人が集まった。マイクを握り、訴える母親をテレビカメラが映す。一方、その脇に「顔出しNG」の一角が指定された。映ることはできない人たちは、配慮されたその場所に固まり、うなずいていた。
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安全保障関連法の議論が熱を帯び、各地でデモがあったこの1年。初めて声をあげた人の周囲にも「前に出ない方がいい」との空気がまとわりつく。
あんたのところの嫁は狂っているのか――。
関西地方の40代女性は昨夏、夫からそんな内容のメールを見せられた。差出人は自分の姉。心当たりはあった。
2人の幼い娘がいる。「法律ができると、子どもたちの命が危うくなることが増えるのでは」と法案反対のデモに参加し始めたころで、自分が写った写真が新聞に載ったことがあった。
「何がいいたいの」
通信アプリのLINE(ライン)を通じて姉に問うた。
「誰がみてもその変わりように安心はしてない」「40歳過ぎても心配されてる大人である事を認識した方がいい」と返ってきた。
母も含めて家族みんなが心配している――そう言いたいんだと感じた。浮かんだ言葉は「身内の恥」。60代の母はテレビで「声をあげる若者」を見て「えらいなあ」と言う。でも、身内は許されないんだろう。
姉との連絡は絶った。
「自分がいたら変な空気になるかも」と、正月の親類の集まりには出なかった。
1歳の娘がいる大阪府の20代女性も昨夏、報道を見て安保法案が気になった。「政治はえらい人がやるから間違いない」と思っていた。だが、集団的自衛権、武力行使――そんな言葉を耳にするうち「知りたい」との思いが募り、新聞を読んだり憲法の勉強会に行ったりし始めた。
法が成立したころ。昔からの友人ら5人で買い物をしていた時に、さりげなく「安保法ってあるやん」と話題をふってみた。自分のように気になる人はいるのでは、との思いだった。
「難しいこと言うて」「政治のこと。すごいね」。笑って「スルー」された。どっちを言ったら正解なのか分からない「難しい」話は、友だち同士ではしない。暗黙のルールのようなものが確かにある。
(伊藤宏樹、工藤隆治、佐藤卓史、沢木香織、平井良和、黄テツが担当します)
◆「みる・きく・はなす」はいま
私はこう思う。そんな普通の言葉が、攻撃されたり、場を奪われたりして、発せなくなっていないでしょうか。29年前の5月3日、朝日新聞阪神支局で記者2人が殺傷されました。事件後に始めた企画の第41部では、「話そかな」と口を開こうとした人々が向きあう現実を、五つの話で描きます。まず、「話さない」社会の息苦しさから。
ーー「話そかな、 1 話さない、前に出ない デモに参加、顔出しはNG」、『朝日新聞』2016年04月29日(金)付。
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(話そかな、:1)話さない、前に出ない デモに参加、顔出しはNG:朝日新聞デジタル