覚え書:「今週の本棚・新刊 『東アジアに平和の海を』=前田朗、木村三浩・編著」、『毎日新聞』2016年04月03日(日)付。

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今週の本棚・新刊
『東アジアに平和の海を』=前田朗木村三浩・編著

毎日新聞2016年4月3日 東京朝刊
  (彩流社・2376円)

 日韓、日中関係は、歴史問題や領土問題をめぐって論争が絶えない。ナショナリズムに火が付き、冷静な議論ができない場合も少なくない。

 本書の副題は「立場のちがいを乗り越えて」とし、「竹島」「尖閣諸島」「領土、国民、ナショナリズム」の3章にわたり、異なる立場の論者が登場した座談会を収録している。

 第1章は、木村三浩一水会代表)▽康熙奉(カンヒボン)(在日本朝鮮社会科学者協会)▽朴炳渉(パクピョンソビ)(竹島=独島問題研究ネット代表)の3氏。第2章は、木村三浩▽陳慶民(チェンチンミン)(東京華僑総会副会長)▽岡田充(たかし)(共同通信客員論説委員)の3氏。第3章は、木村三浩▽金東鶴(キムトンハク)(在日本朝鮮人人権協会事務局長)▽四宮正貴(四宮政治文化研究所代表)▽清水雅彦(日本体育大学教授)▽鈴木邦男一水会最高顧問)の5氏が論じた。司会は3章とも編者の前田朗東京造形大学教授(肩書等はいずれも同書から)。

 前田氏は「時に自らの所見を押し出しつつも、相手の意見を尊重し、聞くべき時は聞き、論ずべき時は論ずるという冷静な議論を心がけました」としており、政府の公式見解とは違った主張も盛り込まれ、対話の材料となると思われる。(坪)
    −−「今週の本棚・新刊 『東アジアに平和の海を』=前田朗木村三浩・編著」、『毎日新聞』2016年04月03日(日)付。

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今週の本棚・新刊:『東アジアに平和の海を』=前田朗、木村三浩・編著 - 毎日新聞


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東アジアに平和の海を: 立場のちがいを乗り越えて
前田 朗 木村 三浩
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