覚え書:「ビジネス 武器としての人口減社会―国際比較統計でわかる日本の強さ [著]村上由美子 [文]森健(ジャーナリスト)」、『朝日新聞』2016年09月18日(日)付。
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ビジネス
武器としての人口減社会―国際比較統計でわかる日本の強さ [著]村上由美子
[文]森健(ジャーナリスト) [掲載]2016年09月18日
女性活用や働き方改革に「伸びしろ」
人口減少と言えば、経済の低迷や労働力不足など日本の難題とされてきた。それが逆に「武器」だという。
著者はOECD(経済協力開発機構)東京センター長。経済をはじめ、日々膨大な分析や統計を扱っている。そうして多くの国の様々な統計や政策を見るうち、気づいたのが「世界経済における日本の相対的優位性」だった。
著者は成人の数的理解力、読解力、科学的理解力の調査で日本人が世界有数の成績と紹介。だが、その能力はうまく使われておらず、「宝の持ち腐れ」だと指摘する。
そこで必要な政策が4点。「中高年層」「女性」という人材の活用、時間を有効に使う「働き方革命」、そしてイノベーションが拡散する環境整備だ。たとえば女性。読解力や数的思考力で世界で最高点の能力。なのに、日本の男女間の賃金格差は27%と韓国に次いで大きい。著者はこうした部分に女性の社会進出を阻害する一因を見る。
人口減少と少子高齢化が難題なのは確かだが、活用する人材や働き方を変えるだけで「大きな伸びしろ」が期待できるのは日本だけだと著者は言う。だとすれば、われわれ社会に求められるのは意識改革なのかもしれない。
−−「ビジネス 武器としての人口減社会―国際比較統計でわかる日本の強さ [著]村上由美子 [文]森健(ジャーナリスト)」、『朝日新聞』2016年09月18日(日)付。
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