覚え書:「ビジネス 未来化する社会―世界72億人のパラダイムシフトが始まった [著]アレック・ロス [訳]依田光江 [文]梶山寿子(ジャーナリスト)」、『朝日新聞』2016年06月12日(日)付。

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ビジネス
未来化する社会―世界72億人のパラダイムシフトが始まった [著]アレック・ロス [訳]依田光江
[文]梶山寿子(ジャーナリスト)  [掲載]2016年06月12日
 
■テクノロジーの将来鮮やかに描く

 今後20年、社会を劇的に変えていく産業とは何か。ヒラリー・クリントンの参謀として、第1期オバマ政権の国務省イノベーション担当上級顧問を務めた俊英が、最先端のテクノロジーとグローバル経済の未来について語る。
 取り上げられる分野は、ロボット、ライフサイエンス、デジタル通貨、サイバーセキュリティー、ビッグデータなど。世界各地で起こりつつある変化の胎動を、その光と影を含め、鮮やかに描き出す。
 米国の外交をIT面で支えた著者の見識と洞察は深く、数ある未来予測本とは一線を画する。近い将来ロボットに職を奪われるという漠とした危機も、読後はよりリアルに感じた。「50年先まで安泰で高給取りになれる業種」はサイバーセキュリティーとの論に納得。就職や転職を控えた若い世代は、読んでおいて損はない。
 次の波に乗るか、のまれるか。勝ち抜くのは女性を尊重し、若者を登用する国だという。その意味で日本の先行きに暗雲も。ロボット工学では「ビッグ5」に入るが、次なる1兆ドル産業・ゲノムの覇権は中国に奪われそう。「進歩と富は公平に分配されるわけではない」からこそ、個人にも心構えが必要だろう。
    −−「ビジネス 未来化する社会―世界72億人のパラダイムシフトが始まった [著]アレック・ロス [訳]依田光江 [文]梶山寿子(ジャーナリスト)」、『朝日新聞』2016年06月12日(日)付。

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http://book.asahi.com/reviews/column/2016061200013.html


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