覚え書:「ビジネス インドビジネス40年戦記―13億人市場との付き合い方 [著]中島敬二 [文]勝見明(ジャーナリスト)」、『朝日新聞』2016年05月15日(日)付。

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ビジネス
インドビジネス40年戦記―13億人市場との付き合い方 [著]中島敬二
[文]勝見明(ジャーナリスト)  [掲載]2016年05月15日

 
■いざとなればノウハウより人間関係

 近い将来、中国を抜いて世界一の人口大国となり、巨大市場が有望視されるインド。1974年、総合商社でインド担当になって以来、累計3度18年間駐在。71歳の今も現地で複数の事業を経営するインド通のビジネス戦記だ。
 アポなしで地元企業に飛び込み、「真剣さと情熱」が買われて契約。現地に進出した日本の取引先の社員たちを慰労するため、正月にすき焼きの材料90人分を抱えて渡印……等々。いかにも昭和世代の企業戦士の奮闘ぶりだ。
 ただ、海外では、今もそんな戦い方が求められているのでないかと感じさせるのは、そこに普遍的なメッセージが込められているからだ。
 「A friend in need is a friend indeed」。困ったときの友こそ真の友、といった意味のことわざが、著者と親交を重ねたインド企業幹部の口から語られる。
 実際、60代末からレストランやホテルを起業後、困難を地元の友人たちの力で乗り切る。その信頼は「Take」より「Give」を優先して築かれた。「Know−Howは大切だが、それ以上に大切なものはKnow−Whoである」。いざとなったらノウハウより人間関係が生きる。元商社マンが得た卓見だ。
    −−「ビジネス インドビジネス40年戦記―13億人市場との付き合い方 [著]中島敬二 [文]勝見明(ジャーナリスト)」、『朝日新聞』2016年05月15日(日)付。

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