覚え書:「悩んで読むか、読んで悩むか 世界は美しく、驚きに満ちている 石田純一さん [文]石田純一」、『朝日新聞』2016年12月18日(日)付。
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悩んで読むか、読んで悩むか
世界は美しく、驚きに満ちている 石田純一さん
[文]石田純一 [掲載]2016年12月18日
54年生まれ。俳優。ABC「おはよう朝日です」コメンテーターも務める。
■相談 オンラインゲームに夢中な夫
夫は40代後半。仕事から帰るとすぐにオンラインゲームを始め、夜中3時ごろまで遊んでいます。食事は5分くらいで済ませ、休みの日もずっとゲーム。彼なりのストレス解消方法だとは思いますが、健康面も心配です。ゲーム以外で夢中になれる時間の過ごし方はないでしょうか。50代に向けて準備をするうえでも参考にしたいです。
(東京都東久留米市、主婦・49歳)
■今週は石田純一さんが回答します
僕はゲームを全くしませんが、のめりこむ気持ちはちょっとわかる。マージャンにはまっていた頃は三日三晩、雀荘(じゃんそう)にこもって家族が迎えに来たり……。画面の中にも刺激的な世界があるのでしょう。でもやっぱり、現実世界のきれいなもの、温かいものに触れてほしいですよね。
手始めに家の中に意識を向けてもらっては? 『小さな家を素敵(すてき)に変えるアイディア』(渡辺ゆり子著、講談社・1620円)などを参考に、予算をかけないインテリアグッズを夫婦で探しに出掛けてもいい。
スポーツや旅行も、いきなりは無理でも“読むゴルフ”という楽しみがあります。作家の夏坂健さんのエッセーはどれもお薦め。『ゴルフがある幸せ。』や『ゴルファーを笑え!』(新潮文庫・品切れ)などなど、ゴルフをしない人でも笑えて泣けます。名選手の逸話から、シェークスピアやコナン・ドイルのゴルフとの関わり、激闘の舞台となったクラブの歴史まで、知的な旅ができます。
僕がゲームをしないのは、長時間やると目の光が無くなるから。役者には致命的。ただでさえ年齢を重ねると目力(めぢから)は落ちますし。それになんといっても、世界は美しく、驚きに満ちている。見るべきものは尽きない。
『ダーウィンの覗(のぞ)き穴』(メノ・スヒルトハウゼン著、田沢恭子訳、早川書房・2160円)は、「性的器官はいかに進化したか」が副題。虫や動物の行動の神秘をユーモアも交えて描き、自然界に目を開かせてくれます。壮大な本なら『エクサスケールの衝撃』(齊藤元章著、PHP研究所・3240円)。メガ、ギガ、テラ、さらにその先のエクサの単位で情報処理するコンピューターが一般化する近未来を予測します。来たるべき激変を想像しながら眺めると、日常が新鮮に見えてくるかもしれません。
いずれにせよ、ご夫婦でコミュニケーションをとることが先決。『伝わる力』(橋谷能理子著、プレジデント社・1512円)が気持ちを伝える表情などのコツを紹介しているので参考にしてみては。パートナーを大切に思う気持ち、伝わるといいですね。
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次回(1月8日)の回答者は作家の山本一力さんです。
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■悩み募集
住所、氏名、年齢、職業、電話番号、希望の回答者を明記し、郵送は〒104・8011 朝日新聞読書面「悩んで読むか、読んで悩むか」係、Eメールはdokusho−soudan@asahi.com。採用者には図書カード2000円分を差し上げます。
−−「悩んで読むか、読んで悩むか 世界は美しく、驚きに満ちている 石田純一さん [文]石田純一」、『朝日新聞』2016年12月18日(日)付。
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http://book.asahi.com/reviews/column/2016121800016.html