覚え書:「悩んで読むか、読んで悩むか 心を鍛え、自分で「奇跡」を起こす 石田純一さん」、『朝日新聞』2017年10月15日(日)付。
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悩んで読むか、読んで悩むか 心を鍛え、自分で「奇跡」を起こす 石田純一さん
悩んで読むか、読んで悩むか
心を鍛え、自分で「奇跡」を起こす 石田純一さん
2017年10月15日
54年生まれ。俳優。ABC「おはよう朝日です」でコメンテーターも務める。
■相談 息子にアツイ男になってほしい
20歳の息子は、小さな頃から温厚で感情の起伏がない子でした。それも個性と捉えていましたが、最近は「怒るのも時間のムダ」「長い物に巻かれていた方が間違いない」「自分の意見を言ってどうなる」など覇気の無い言動が目立ちます。就職活動などを乗り切れるのか心配です。松岡修造さんではないですが、もう少し「アツイ男」になって欲しいのです。(千葉県、看護師 女性49歳)
■今週は石田純一さんが回答します
愛する息子さんのこと、心配ですよね。しかし焦らずに、まずは対話の時間を持ちましょう。彼の気持ちを理解し、肯定することから始めてみて下さい。厳しい場所で働く相談者さまは、確立された価値観をお持ちだと思います。しかし、視野を広げ、味方になって励ますことが大切です。優しく、内省的な心をお持ちの息子さんは、もしかしたら芸術家肌なのかも。すてきなことですよ。
オススメは、100年以上前に英国で書かれた啓発書を現代語に訳した『新訳 原因と結果の法則』です。著者は「あなたの人生を作っているのはあなた自身である」「自分の思考によって喜びと力と平和をつくる道具を持つこともできます」と記しています。僕は30代の行き詰まっていた頃に別の翻訳で読み、人生設計をし直しました。また、以前ご紹介した『マスターの教え』(飛鳥新社・550円)の著者ジョン・マクドナルドは、人は目的達成に力を発揮する「内なる心」を持つが、正しく発動するには目や耳からの情報を判断する「外なる心」を鍛えなければならないと説きました。だから「内なる心」を乱すネガティブ発言は厳禁です。
僕はゴルフをする時、コース設計士・川田太三さんの言葉「ゴルフとは3Dである」を心にとめています。希望や目標を設定し(desire)、心を決め(determine)、ゆだねる(devote)。すると、時にとても美しいショットが打てる。まずは自分の心を定めることが重要なのです。ウエイン・ダイアーの『自分の中に奇跡を起こす!』(三笠書房・品切れ)もぜひ読んで欲しい一冊。僕が皆さんに名前を知ってもらっているのも、自分で起こした奇跡だと感じています。
僕も母親に薦められた本は、時々手に取ります。特別なんです。まずは相談者さまが「面白かった」とプレゼントするのもいい。最後に僕の好きな言葉を。「愛するとは、自分とはまったく正反対に生きている者を、その状態のままに喜ぶことだ」(『超訳 ニーチェの言葉』から)。親子の対話から始めてみて下さいね。
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次回は作家の山本一力さんが答えます。
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■悩み募集
住所、氏名、年齢、職業、電話番号、希望の回答者を明記し、郵送は〒104・8011 朝日新聞読書面「悩んで読むか、読んで悩むか」係、Eメールはdokusho−soudan@asahi.comへ。採用者には図書カード2000円分を進呈します。石田さんと山本さん以外の回答者は次の通り(敬称略)。荻上チキ(評論家)、斎藤環(精神科医)、壇蜜(タレント)、穂村弘(歌人)、三浦しをん(作家)、水無田気流(詩人)、吉田伸子(書評家)。
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http://book.asahi.com/reviews/column/2017101500013.html