日記:あんときのデジカメ:Nikon COOLPIX 5000 フィルムカメラ時代のニコンらしい絵作り 2001年。


◇ 2001年発売、天下のニコンさまのフラッグシップコンデジ
 こんなカメラがその時期に発売されていたのかあ、とあとになって気がつくことが多いのが、やはり2001〜2005年当時のデジタルカメラ界隈。当時はフィルムカメラをメインで使っていたので、まあ、そうなってしまうのもやむを得ない話ですが、そういう一群のデジタルカメラのなかで、気になっていたのが今回ご紹介するNikon COOLPIX 5000 です。
 2001年発売で当時は15万円という驚きの価格ですが、当時のデジタル一眼レフカメラがゆうに100万円を超えていた時代ですから、これでも「たぶん」安いほうだったと思います。ちなみに、当時の500万画素コンデジは、オリンパスCAMEDIA E-20が22万円程度、ソニーサイバーショットDSC-F707が12万円程度。どちらも望遠側ズームで広角には弱いので、COOLPIX 5000は当時のハイエンドコンデジのなかでは、際立つ存在だったと理解できます。
 ただ、これに今更何千円も出すのは正直「きつい」なあと思っていたら、送料いれて、本体、充電器ほかケースまでついて2000円を切っていたので、まあ、これぐらいならと思い、購入してみました。

◇ホールディングのよい無骨な筐体
 いわゆる資料でだけしか見たことがなく、触ったこともなかったのですが、写真の印象では「ずいぶん、四角いカメラだなあ」と思っておりましたが、実際に触ってみると、そう「四角い」わけでもありませんが、今の水準で考えると、ハイエンドとは言え、コンパクトカメラとしては「でかい」のひとこと。重量も360gもあり、なかなかハイエンドです。筐体はスタイリッシュとは程遠く、無骨のひとことに尽きますが、かえってその無骨な筐体のおかけでホールディングがよく、手ぶれ補正などまったくありませんが、スローシャッターでも割とブレが少なく、「やるじゃん」というのがファーストインプレッションです。
 レンズもこの当時のコンデジの広角端がだいたい、がんばって35mmというなかで、ワイドな28mmでスタート。写真家にも好まれたという理由がよくわかります。ただし、設定変更するためのボタン類の構成がちぐはぐで、なかなか使いにくく、この当時のデジカメが、試行錯誤していたんだなあとも思ったりです。さすがに20年近く前のカメラですので、バッテリーのもちが悪いことや(それでも50ショット程度は撮影可能でした)、起動の遅さやコンパクトフラッシュカードへの書き込みの遅さ、そして前述したギミックの今ひとつ感などマイナス要因は少なくないのですが、それでも割と撮影枚数を重ねることができたのは、このカメラがこれほど古いものであっても、優秀なカメラとして完成していることを物語っているのだなあとしみじみと思いました。

フィルムカメラ時代のニコンらしい絵作り
 でわ簡単にスペックをおさらい。撮像素子は2/3型有効500万画素CCDセンサー。すでに35mmフルサイズのセンサーを搭載したコンパクトデジタルカメラが登場しているので、そのセンサーサイズではだせえよと言われてしまうと元も子もないのですが、それでも、現在のハイエンドだとか高級コンデジという類のデジカメがだいたい1/1.7型で済ませている現状を勘案するならば大きなセンサーを搭載しており、当時のコンデジがだいたい100〜300万画素を推移していたことを考えれば、非常に大きく密なセンサーで、色ののり具合は割と「からッ」と「カチッと」とした印象で、フィルムカメラ時代のニコンらしい絵作りです。
 レンズは、35mmフィルムカメラ換算で28-85mm3倍ズームニッコールレンズ。開放F値はF2.8-4.8。開放値が明るいことと、ホールディングのよさで思った以上にスローシャッターで粘れます。露出モードは、プログラム撮影ほか、絞り優先、シャッター優先、マニュアル露出に対応、シャッタースピードは8秒〜1/4,000秒。ISO最高感度は800と当時のこのクラスでは最高ではないかと思います。液晶は1.8型と小さいですが、いわゆるフリーアングル方式で、ローアングルやもちあげての撮影などでも使いやすく、さすがニコンとしかいいようのない、ニコンらしいニコンのカメラという使用感です。
 先に残念なところがいくつかりますが、まあ、それを差し引いても優秀なカメラという総評をしましたが、唯一、使いづらいと思ったのは、マクロ撮影時のAF精度の低さ。ここが使用中は、なんどもひっかかるところで、うまく当たれば当たるのですが、ハズレを引くことも多く、ちょっとがっかりなポイントというところでしょうか。

以下、作例です。プログラム撮影。ISO100、ホワイトバランスオート、露出補正なし。筐体はiPhone6sで撮影。








↑ 広角端28mmで撮影(A)。


↑ (A)を光学望遠端85mmで撮影。




↑ 広角端28mmで撮影(B)。


↑ (B)を光学望遠端85mmで撮影。










COOLPIX 5000:主な仕様 - コンパクトデジタルカメラ | ニコンイメージング

Playing old digital Camera Nikon COOLPIX 5000 2001 | Flickr