折々のことば：９１１ 鷲田清一
2017年10月23日
「もったいない」が「手間がかかっている」という価値に変わるんです。
（平井達雄）
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京都に「おこうこのぜいたく煮」という惣菜（そうざい）がある。何のことはない、残った沢庵（たくあん）を煮干しとともにぐつぐつ炊いただけのおかず。ふだんは茶漬けと香の物で済ました昔の庶民の質素な食事は、ちょっとした工夫でささやかなご馳走に生まれ変わった。今では惣菜店の一品に。「始末の心」を贅沢に裏返す知恵。小学校で同級だった京漬物の老舗「西利」の副会長が教えてくれた。
−−「折々のことば：９１１ 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年10月23日（月）付。
折々のことば：９１１ 鷲田清一：朝日新聞デジタル
