覚え書:「折々のことば:960 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年12月13日(水)付。


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折々のことば:960 鷲田清一
2017年12月13日

 食べ物をいくら残しても叱られない時代はきたが、それは同時に胃袋でない形の新しい飢えの始まりでもあった。

 (たかとう匡子〈まさこ〉)

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 ひもじさには二つの形がある。一つは窮乏の生活からくる空腹であり、一つは強い不安や鬱屈(うっくつ)からくる心のやつれである。「先進国」といわれる国では、ひもじさ、つまり存在の乏しさは前者から後者へと移行した。それが今、もういちど反転して貧困が重い足かせになりだしている。詩人で元国語教師の『私の女性詩人ノートII』から。
    −−「折々のことば:960 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年12月13日(水)付。

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折々のことば:960 鷲田清一:朝日新聞デジタル





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