野蛮の政治はひとを覊扼す。文明の民は覊扼を免る

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 野蛮の政治はひとを覊扼す。文明の民は覊扼を免る。文野の別、ただその民の言行自由を得ると得ざるとにおいて視るべきのみ。それ人の性霊、もと自由なり。君子静居、天を敬し善を思う。大悪魔王といえども、絶てその自由を障碍すること能わず。ただその言行に発するにあたりては、あるいは威権を弄してこれを禁じ、あるいは法例を設けてこれを制する。かの威権を弄してこれを禁ずるのは野蛮の醜政、今これを論外に附す。法例を設けてこれを制するは、かの半開の国、専制の政治に多くこれあり。あるいは文明の俗と称する国においても、まま聞くところなり。
    −−津田真道「出板自由ならんことを望む論」、『明六雑誌』第6号-1、明治七年四月。

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1872(明治5)年1月に改正された「出版条例」によって、印刷物の出版には文部省による許可が必要とされるようになるのですが、その状況に対して「いかがなものか」と反論したのが明治期を代表する啓蒙思想家の津田真道(1829ー1903)です。

津田は「出板自由ならんことを望む論」において、国民の文明化のためには思想・行動の自由を保障することが不可欠であるとして、出版の自由を求め、フランスを例にとりながら出版の自由を抑圧することがかえって政治的不安定の原因となったと説いたわけですけれども……

「今は昔・・・」

………ではありませんね。

「野蛮の政治はひとを覊扼す。文明の民は覊扼を免る」ですよ。






⇒ ココログ版 野蛮の政治はひとを覊扼す。文明の民は覊扼を免る: Essais d'herméneutique



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