「ひととの出会い」に感謝


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 どこの国だってほんとうの善人は多くない、はなはだ少ない。美しい人も多くはない、はなはだ少ない。しかしいないことはない。ただそういう人にめったに会うことができないだけだ。
    −−武者小路実篤『友情』岩波文庫、年、20頁。

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卒業式の折り、謝恩会にて頂いた短大生の卒業文集をぱらぱらとめくっていたのですが、ひとりひとりの卒業生の多くが、「ひととの出会い」に感謝していることがよくわかります。

同期との深い絆。
先輩の励まし。
後輩への関わり。

そして父母や関わった多くのひとたち・・・。

自分自身の学生時代を振り返ってもまさにそうなんです。

大学在学時というのは、俗に「モラトリアム」といわれる期間かもしれませんが、しかしそれまでの義務教育課程(高校はほぼ全入ですからね、そうくくります)の濃密な、空気を読む空間とも違う、そして社会に入ってからの利益や利害に配慮しながら、一挙手一投足を勘案する空間とも違う、そう、自分で考え・判断するなかで培われた人間関係や出会いというものは、まさに代え難い財産なんですよね。

だから現実には「なんじゃ、コイツ、ゴルァ」っていうのもあるんですが、それはそれできちんとそういうことに反応できる……利害関係において我慢するとかスルーするとかじゃなくてね……っていうのは、それを含めても貴重な経験なんですよ。

あと二週間もすれば、新入生がキャンパスにあふれかえることだと思います。

卒業するときに、出会いに感謝!といえるような大学時代をおくってほしいものですね。




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