覚え書:「みんなの広場 軍隊で受けた恐怖の体罰体験」、『毎日新聞』2013年02月18日(月)付。



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みんなの広場
軍隊で受けた恐怖の体罰体験
無職 86(山口県光市)

 連日のように体罰に関連する話題がマスメディアで取り上げられている。大阪市立桜宮高校バスケットボール部主将の男子生徒が顧問の体罰を受けた後に自殺したことが燎原の火のように全国に広がり、女子柔道ではロンドン五輪代表ら選手15人が、暴力を振るったり暴言を吐いたりした代表監督を告発した。
 思うに、体罰や暴力によって競技の練度を高めるなどもってのほかである。この老骨は太平洋戦争中に軍隊経験があるが、初年兵の頃は全体責任と称して整列させられ、ビンタをくらった身だ。古参兵は平手ではなくスリッパを使った。ビンタで戦意を高揚するなど論外で、毎日が恐怖だった記憶は今も消えない。
全 国のあらゆるスポーツ指導者に申し上げたい。手を上げる前に、選手それぞれの個性に合った言葉を考えるべきではないか。体罰ではなく、言葉で選手たちの心を動かす努力が必要だ。喫緊の課題だと老骨は思っている。
    −−「みんなの広場 軍隊で受けた恐怖の体罰体験」、『毎日新聞』2013年02月18日(月)付。

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