覚え書:「みんなの広場 橋下氏の慰安婦発言がっかり」、「みんなの広場 女性の尊厳踏みにじる発言」、「みんなの広場 9条 今こそ愚直に守るとき」、『毎日新聞』2013年05月19日(日)付。

        • -

みんなの広場
橋下氏の慰安婦発言がっかり
主婦 63(東京都板橋区

 「縦断が飛び交う中で命をかけて走っていく時、精神的に高ぶっている集団に休息をさせてあげようと思ったら、慰安婦制度が必要なのは誰でもわかる」。これは、日本維新の会の共同代表、橋下徹氏の発言である。歴史認識や国際関係への影響だけではない、女性に対する氏の本音が透けて見えたと思うと情けないやらがっかりするやら、何とも複雑な思いがする。
 本来、女性の役割は「戦場の男の高ぶりを癒すこと」などではなく「男が戦場に行かないように声を上げる」ことこそが大事であると強く思っている。
 最近、一部の政治家の言動が、やたらキナ臭い。もっと、謙虚に国民の声に耳を傾けてもらいたい。私自身も一人の母として、今だからこそ平和のために声を上げなければいけないと感じている。
 いつか来た道をたどらないためにも日本の平和を守りたい。
    −−「みんなの広場 橋下氏の慰安婦発言がっかり」、『毎日新聞』2013年05月19日(日)付。

        • -

 

        • -

みんなの広場
女性の尊厳踏みにじる発言
自営業 69(静岡県小山町

 日本維新の会共同代表の橋下徹氏が、戦争の遂行に慰安婦は必要だったと発言したという。あまりにも女性の尊厳を無視した言い分である。女性の心を尊重する立場に立つならば、こんな発言はあり得ない。橋下氏は、戦争の遂行を前提とした上で必要な方策は容認する姿勢らしいが、視野が狭すぎる。
 過去に他国との戦争をしたのは不幸な経験だ。もめごとの解決方法として男性は力の対決に走りやすいが女性は対話と謙譲を重視するのではないだろうか。もし、男性だけでなく女性の考え方も正当に政策に反映されるような国家体制であったならば、そもそも戦争に突入することもなかったのではあるまいか、と思う。女性と男性という二つの性の存在は、どちらか一方が他方に隷属するのではなく、互いに力を合わせて人類の未来への存続を担ってゆくためにある。
 男性中心の考えで女性には協力を強いて当然とする発想はやめてもらいたい。
    −−「みんなの広場 女性の尊厳踏みにじる発言」、『毎日新聞』2013年0月19日(日)付。

        • -
        • -

 みんなの広場
9条 今こそ愚直に守るとき
行政書士 64(東京都大田区



 改憲論議が盛んである。安倍晋三首相は改憲要件を緩和するための96条の改正を主張している。しかし、これは城に喩えれば、外堀を埋めようとするものであり、その先の真の狙いは内堀に当たる9条の改正であろう。それは、自衛隊国防軍に改編し、軍としての存在を明確にすることで、武力行使(戦争)を可能にする体制づくりを目指すものといえる。
 また、首相の政権発足後の領土や歴史認識等の問題に関する強硬発言の裏には、そのことで国民のナショナリズムをあおり、改憲につなげようとする意図が見えた。
 しかし、国の安全は、感情に支配されない冷静な外交努力で守ることが基本でなければならない。私は今こそ、9条の不戦の誓いを愚直に守り続ける必要性を感じている。来る参院選では、我々は96条改正の先にある9条の改正も見据えて、改憲の是非を判断する必要があると思う。「アベノミクス」に浮かれてばかりはいられないのである。
    −−「みんなの広場 9条 今こそ愚直に守るとき」、『毎日新聞』2013年0月19日(日)付。

        • -

102


103


104


Resize1020