覚え書:「今週の本棚・新刊:『森のふしぎな生きもの 変形菌ずかん』=川上新一・著、伊沢正名・写真」、『毎日新聞』2013年07月07日(日)付。
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今週の本棚・新刊:『森のふしぎな生きもの 変形菌ずかん』=川上新一・著、伊沢正名・写真
毎日新聞 2013年07月07日 東京朝刊
(平凡社・1680円)
変形菌(粘菌)は、小さくて、色とりどりで、自由自在にかたちが変わる不思議な生きもの。アメーバになって動き、キノコのように胞子を作る。バクテリア、カビ、キノコなどを食べ、加工品のオートミールも好物らしい。
生物分類体系では「プロチスタ界」に属し、動物、植物、菌類の定義から外れた「真核生物」というグループに入る。
博物学者の南方熊楠、日本の変形菌の父・田中(市川)延次郎、そして昭和天皇も熱心な研究者だった。
ツノホコリ、クビナガホコリ、アミホコリ、フンホコリ、ハシラホコリなど、79種の奇妙なかたちの変形菌の種類や見分け方を解説。
スミレアミホコリは「可憐(かれん)で高貴な王妃」、エツキケホコリは「茶色い異星人」、ボゴールフクロホコリは「仕立てのいいジャケット」、タマゴルリホコリは「惑星のようなキラキラ感」といったかんじのキャッチコピーも秀逸である。
著者の専門は、細胞性粘菌および変形菌の分類、系統、進化学。
元・自然(菌類、隠花植物)写真家で現在は「糞土師(ふんどし)」を名のる伊沢正名(まさな)の写真も見ごたえ十分。(魚)
−−「今週の本棚・新刊:『森のふしぎな生きもの 変形菌ずかん』=川上新一・著、伊沢正名・写真」、『毎日新聞』2013年07月07日(日)付。
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http://mainichi.jp/feature/news/20130707ddm015070009000c.html